「中島 C6N1 艦上偵察機 彩雲」を1/48スケールでキット化。
■海軍は、昭和15年に実用機試製計画を立案し、各メーカーに内示していました。
■中島飛行隊にも何点かの内示があった中に艦上高速偵察機がありました。
■N-50と呼ばれたこの計画は要求性能が非常に過酷なものでした。
■最高速度は350kt(650km/h)、航続距離は最大で2,500海里(4,630km)というもので大阪からバンコク間の距離ということで、必要なエンジンは2,000馬力級が必要と考えられました。
■このため中島は、1,000馬力級のエンジンを胴体内で2基串刺しにしてシャフト、ギアを介して両翼のプロペラを駆動する双発機案を考えました。
■しかしちょうどこの頃「誉」と呼ばれた大馬力、省直径のエンジンの試作が順調に進んでいましたので海軍からはN-50計画に「誉」を使えないかという指示がきました。
■「誉」は当時銀河による実用試験が進んでいたエンジンで直径は1,180mm、離昇出力1,830馬力という高性能エンジンでした。
■中島は、昭和17年6月に複雑な機構を持つ双発機案をすて「誉」エンジンを搭載した単発機案を進める事を決定し海軍に報告しました。
■1,830馬力の「誉」エンジンも高度6,000mに於いては1,600馬力にしかならないという事で、当初の計画値2,000馬力に400馬力分足りないことが分かり機体形状を工夫してこれを補う事になりました。
■これは、まず胴体前面面積を小さくすること、主翼面積を小さくする事があげられました。
■主翼面積を小さくする事は、着陸速度の増大を招き、空母着艦が困難になると言う事で、スラットとファウラーフラップを採用し高揚力を得られるようにしました。
■プロペラは大量の燃料を積んで狭い空母から発進させなければならないため直径3.5mという大直径プロペラを採用しています。
■軸新かつ最新の設計で制作された1号機は昭和18年4月に完成し海軍の審査を受けました。
■昭和19年4月から量産が開始されたこの機体は昭和19年9月に彩雲11型(C6N1)として制式採用が決定しました。
■量産型彩雲は最大速度609km/hで試作時の635km/hからは性能が落ちましたが、グラマンF6Fを振り切る事が出来ました。
■また生産された量産機の中には速度、航続距離を買われ夜間戦闘機として改造され20mm斜め砲2門か30mm斜め砲1門のどちらかが搭載されており、本土防空にも活躍しています。
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