出荷目安の詳細はこちら内容詳細インターネットや人工知能(AI)、ビッグデータといった新たなデジタル技術は、わずか数年で、中国の金融業界に「創造的破壊」をもたらした。
■現金はモバイル決済に代替され、遠隔地に無料で送金ができるようになり、これまで既存金融機関から見放されてきた低所得者層や中小・零細企業が無担保でお金を借りられるようになった。
■これら革新的サービスを世に送り出したのがデジタル金融プラットフォーマーである。
■ 本書は、様々な業界の中で最も革新的な変化が起こっている金融セクターに着目し、「創造的破壊」を引き起こすデジタル・イノベーションが、中国で次々と生まれるメカニズムを解明するもの。
■ 金融業界のデジタル・イノベーションは、どうやって起こったのか。
■何が突き動かしたのか。
■なぜ他国ではなく中国だったのか。
■そして今後どうなっていくのか。
■これらの問いに対し、本書では、主に以下の3つの視点からアプローチする。
■ 一つ目は、中国国内に山積する社会問題がイノベーションを生み出すという需要側の視点。
■本書では、社会問題を需要(利用者)側のモチベーションと捉え、プラットフォーマーが生み出すイノベーションを積極的に受け入れる背景を読み解いていく。
■ 二つ目は、プラットフォーム・ビジネスという供給側の視点。
■今の中国では決済を基盤にして、過去になかった新しいタイプのビジネスが次々に生まれ、巨大なビジネス・エコシステムが形成されている。
■この決済プラットフォームを展開するのが、アリペイとウィーチャットペイで約9割を占める。
■安全性に対する要求が高い決済ビジネスには莫大な投資が必要にもかかわらず、消費者は無料でモバイル決済を利用できる。
■このような膨大なシステムを全国各地にまで広げ、現金取引の多くを代替するほどにまで幅広く利用できるようになったのは、サービスの提供者が金融機関ではなく、決済以外のビジネスを事業基盤とするデジタル・プラットフォーマーであったからと筆者は考えている。
■ 三つ目は、政府の方針や政策、関連規制といった、プラットフォーマーを取り巻く外部環境の視点。
■中国の経済体制は「社会主義市場経済」と呼ばれ、資本主義経済とは大きく異なる。
■国有セクターが民間セクターよりも相対的に有利な立場にあり、国家が明確な意図をもって打ち出す経済政策が重要な役割を果たす中国において、民間企業が生み出すイノベーションを議論するには、「国家による介入」という外部環境の視点を省くことはできないだろう。
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